女性によくおこる疾患としては、急性膀胱炎・腎盂腎炎・過活動膀胱・腹圧性尿失禁・間質性膀胱炎・尿道カルンケルなどがあります。これらの疾患について説明いたします。
尿道から細菌が入り膀胱で炎症をおこし、排尿時に痛みがおこったり排尿後も尿が残ってる感じがしたり、排尿回数が増えたりします。時に血尿がでることもあります。抗生物質の内服が必要ですが、どんな薬でもいいわけではありません。一般的に原因の2/3は大腸菌であり、次に多いのは腸球菌という雑菌です。これらに効果的な薬剤を選択する必要があります。近年、かつて効果的だった薬が効かなくなっている薬剤抵抗性の菌が増えてきています。軽く考えない方がよいです。ご相談ください。
膀胱炎を放置しているとか治療に時間がかかっていると細菌が膀胱より上部の尿路である尿管や腎臓に逆行して進みます。そして腎に達すると腎盂腎炎となり、夕方から夜にかけて発熱し、腰痛や背部痛を伴ってきます。1ランク重症の炎症です。
抗生物質の治療が必要ですが、高熱であったり自覚症状が強い場合は、点滴で抗生物質を投与する場合もあります。尿路に通過障害のない腎盂腎炎なら外来レベルで治療可能ですが、尿路に通過障害がある状態に腎盂腎炎をおこした場合、細菌尿が尿路に停滞し、とてつもなく重症の炎症になることがあります。通過障害があるかどうかは腎に対する超音波検査で腎が腫れているかどうかをチェックすることで判断できます。
このような考え方は泌尿器科医しかしません。泌尿器科にご相談ください。そのような場合は停滞している尿を体外に出す手術が必要ですので、連携医療機関へご紹介いたします。
これら①~③からなる症状症候群を過活動膀胱といいますが、尿意切迫感は必須症状であり、切迫性尿失禁はあってもなくてもかまいません。OABSSという問診票で治療効果や症状の程度を評価します。ただし、他の病態で同じような症状を呈することがあり、鑑別することが必要です。
内科で相談すると、抗コリン薬という膀胱の収縮を抑制する薬が何の検査もなく処方されるのが常ですが、このような投薬の仕方は間違っています。残尿が50mlを超える場合、この薬を投与するとさらに残尿が増え悪化することがあるため、投与してはいけません。よって残尿測定をして残尿が50ml以下であることを確認の上投与します。
また膀胱癌で過活動膀胱様症状がでることがあります。その場合、癌の治療が遅れることにつながります。泌尿器科にご相談ください。鑑別診断を行った後、過活動膀胱と判断すれば抗コリン薬やβ3刺激薬という膀胱をリラックスさせる薬を処方し様子をみます。
走ったり、くしゃみをしたり、咳をしたり、重い物を持ったりして腹圧が上昇した時に起こる尿失禁です。骨盤の支持組織が弱くなることが原因として多いです。多産婦の方は起こる確率が高くなります。まず骨盤底筋体操をすることです。これは肛門をすぼめるように力を加え、息をはくという体操です。この体操を続けることで、排尿を調節している尿道括約筋も強化されます。これに尿道抵抗を高める薬を併せて経過をみます。これらをやっても効果が出ない場合、手術が適応となります。その時は、連携医療機関にご紹介いたします。
膀胱の慢性炎症で、トイレの回数が多く、急に尿意をもよおしたり、尿が溜まってくると膀胱部に痛みを感じ、排尿すると楽になるのが典型例です。尿検査は正常であり、内服治療ではほとんど改善しません。1回排尿量は少なくなっていることが多く、下半身麻酔下に膀胱をふくらます膀胱水圧療法がまず行う治療となります。膀胱水圧療法が必要な場合は連携医療機関にご紹介いたします。
尿道の出口に不快感を感じたり、出血して下着が汚れたりします。尿道の出口に血流に富んだ暗赤色のできものができ、尿道カルンケルといいます。治療は、手術による切除です。
手術が必要なときは連携医療機関にご紹介いたします。
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