どうして検査に時間がかかるの?〜性病検査即日結果との違い
今回は尿道炎の検査方法について書きます。
尿道炎は、主に性行為を通じて尿道に細菌やクラミジアが侵入することで発症します。
症状としては、尿道から膿が出たり、排尿時に痛みや不快感を感じることが特徴です。
特に、淋病やクラミジア感染症は多くの方に知られているかと思います。
最近では、淋菌やクラミジアだけ即日でデータを出し、その結果をもとに治療を希望され来院する患者さまが増えています。
当院の尿道炎の検査が5日程度かかる理由を説明します。
※検査項目や費用、日数などはこちらのページに詳しく載せています。
<理由1>
正確な診断と適切な治療のため培養法で検査を行っています
尿道炎の原因は必ずしも淋菌やクラミジアだけではありません。
実際には、それら以外の雑菌が原因となるケースも少なくなく、このような病態は「非淋菌性非クラミジア性尿道炎」と呼ばれます。
これらを含めて検査するためには「培養法」を用いる必要があります。
培養法では尿や尿道分泌物を培地に植え付け、菌を繁殖させて原因の菌を特定します。
例えば、大腸菌が検出されることもあります。
即日で淋菌やクラミジアの検査を行うだけでは、すべての原因を特定することはできません。
淋菌やクラミジアの検査だけを行い、陰性だったからといって治療をしないままにすると、他の菌が原因となる疾患を見落とす可能性があります。
培養法は菌を増殖させる工程があるため結果が出るまでに約5日かかりますが、その分、淋菌やクラミジア以外の菌も詳しく調べることができ、より正確な診断と適切な治療につながります。
検査の速さだけでなく、確実に原因を特定することが重要です。
<理由2>
保険診療で行っています
当院は保険診療に基づいた検査と治療を行っています。
培養法は健康保険が適用される検査なので 自己負担の費用を抑えることができます。
費用は薬代が薬局で別途かかりますが、保険診療(3割負担の場合)で約3000円から3500円程度です。
単に検査結果を提供するだけでなく、保険診療による治療も行っています。
<検査と治療について>
淋菌やクラミジア以外の菌も特定できるよう培養法で検査を実施し、基本的には抗生物質を1週間処方しています。
薬を1週間飲み終えた後に再度ご来院いただき、検査結果をご説明いたします。
まとめ
気になる性行為の後に尿道炎と思われる症状が出た場合は、淋菌やクラミジアだけでなく、他の原因も考えられることを知っておくことが大切です。
適切な検査と治療を受けることで、より確実に症状の改善につながります。