「膀胱炎かも?」と思ったら…女性はどの科を受診すればいいの?
- 2025年5月19日
- 泌尿器科
「トイレが近い」「排尿時に痛みがある」「尿に血が混じっている気がする」――そんな症状があると、「もしかして膀胱炎?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
特に女性は膀胱炎になりやすく、身近なトラブルとも言えますが、いざ「膀胱炎かも?」と思ったとき「何科に行けばいいの?」と迷ってしまう方も少なくありません。
◆膀胱炎の主な症状とは?
膀胱とは尿をためる袋のことです。膀胱炎は尿道から細菌が入り膀胱で炎症を起こす病気です。女性の尿道は男性より短く細菌が膀胱に到達しやすいです。
そのため男性よりも女性の方が膀胱炎にかかりやすいのです。
以下のような症状が代表的です
•何度もトイレに行きたくなる
•排尿の終わりの頃の痛みや違和感
•尿のにごりや血尿
•下腹部の不快感、軽い痛み
•残尿感(排尿後も尿が残っている感じ)
膀胱炎では熱が出ることはありません。
しかし膀胱炎の症状に加えて熱が出てきたらちょっと注意が必要です。
炎症が腎臓まで広がった「腎盂腎炎(じんうじんえん)」という状態になっている可能性があります。
腎盂腎炎は膀胱炎よりも少し重めの尿路感染症で、場合によっては点滴治療が必要になることがあります。
「膀胱炎かも?」と思ったら早めの受診と適切な対応が必要です。
◆ 内科?婦人科?泌尿器科?どの科に行くべき?
実は、膀胱炎は「泌尿器科」が専門の診療科目です。
泌尿器科は、腎臓・尿管・膀胱・尿道など、尿に関わる臓器を専門的に診る診療科で、膀胱炎のような尿路感染症の診断や治療に最も適しています。
膀胱炎の診断には、尿検査が欠かせません。
尿の中の白血球や赤血球の有無を確認することで、正確な診断と適切な治療につながります。
「尿検査」といっても、顕微鏡を使って詳しく見る検査がとても大切です。たとえば、白血球や赤血球の量、炎症の有無などをしっかり確認することで、確かな診断につながります。
泌尿器科では、初診時から顕微鏡を使った詳しい尿検査を行っています。
そのため、膀胱炎のような症状があるときや、排尿時に違和感があるときは、早めに泌尿器科でご相談いただくのがおすすめです。
また、症状が強い方や、治療してもなかなか改善しない方は、専門的な診察を受けることで原因がより明確になる場合もあります。
◆お薬について
膀胱炎治療、ポイントは“効く薬”の見極めです
菌に合わせて薬を選ぶ。これが正確な治療です
抗生物質による治療が必要ですが、抗生物質だったらどんな薬でもいいわけではありません
一般的に膀胱炎の原因となる菌の約2/3は大腸菌で、次いで腸球菌などがあります。原因菌に効果のあるお薬を選ぶことが大切です。以前はよく効いていた抗生物質が効かなくなっている“薬剤耐性菌”も増えており、慎重な薬の選択が求められます。当院ではこうした背景もふまえ、専門的知識に基づいた適切な対応を行っていますのでご安心ください。
◆「泌尿器科ってなんだか恥ずかしい…」
そう感じる女性の方も、少なくありません。でもご安心ください。最近では、女性の患者さまも多く、安心して受診できる環境が整ったクリニックが増えています。
当院では皮膚科も併設しており、女性の患者さまにも多くご来院いただいています。
女性の泌尿器症状にも対応しており、排尿時の違和感や頻尿、膀胱炎などのご相談を日々お受けしています。
検査や治療の流れについても、わかりやすく丁寧にご説明し、不安なく治療を受けていただけるよう心がけています。
気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談くださいね。
<まとめ>
・膀胱炎の症状があるとき、とくに再発や重症化がある場合は泌尿器科専門医にご相談ください
・膀胱炎は女性にとって身近な病気です。恥ずかしがらず、早めに受診することが大切です。
・膀胱炎は、放っておくと腎臓にまで感染が広がることもあります。気になる症状があるときは、がまんせず、ぜひ一度ご相談ください。
次回のブログでは、実際の診察の流れや、どんな検査をするのかについてご紹介します。
また、尿検査でわかることや、膀胱炎の際に気をつけたい生活上のポイントなどもお伝えする予定です。ぜひご覧ください!